Hustler Setting #1

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Gripさんから譲って頂いたAX10仕様のHustler。今まで培ってきた(?)コンペスタイルマシンのノウハウが通用せず、それなりの走りになるまで色々と試行錯誤してきました。ひとまずMicky-Rockで以前のダルメシアンに近い走りが出来たので、そのセットとこれまでの過程を記しておこうと思います。


【Hustler Setting】
  
シャーシ:RCP Hustler AX10バージョン
トランスミッション:AX10(w/スリッパー)
アクスル:AX10 / (F)TCSアルミナックル,TCSアルミCハブ / (R)Axialストレートアクスルセット
ドライブシャフト:Traxxas(#1953,#4628X)
リンク:(F)TCS アルミ4リンクサーボステー / (R)TCS デルリン4リンクステー
リンク長(Hole to Hole):(FU)90mm / (FL)104mm / (RU)103mm / (RL)107mm / ロッドエンド長29mm
ホイールベース:317mm
  
ESC:Castle Creations MambaMax
BEC:Castle Creations CCBEC(6V)
モーター:ATLAS AT7-144 ロッククライマー ストックモーター 40T
ギア比:(SPUR)キンブロー90T 48P / (PINION)TAMIYA 13T 48P / 1:53.25
バッテリー:enRoute enLiPo1300mAh 3セル(15C)
ステアリングサーボ:HITEC HS-5955TG
  
タイヤ:Panther Cougar
タイヤインナー:(F)Pantherメモリーフォーム / (R)ProlineHammer付属ノーマルスポンジフォーム(無加工)
タイヤウェイト:(FR)+360g / (FL)+200g / (RR)+0g / (RL)+0g
ホイール:AX10ストック
タイヤ総重量:(FR)537g / (FL)358g / (RR)148g / (RL)148g
  
ショック:TAMIYA CR-01用ショック(カスタマー取り寄せ)
ショックスプリング:(F伸び側)TCSインナースプリングソフト / (F縮み側)10mmホームセンタースプリングスーパーソフト / (R伸び側) ホームセンターハードスプリング / (R縮み側)TCSミディアムスプリング
ショックオイル:(F)なし / (R)#20
  
車高:65mm(腹下)
総重量:2598g(バッテリー・タイヤ・ウェイト含む)
  

【パワーソースについて】
  
- コンペスタイルのパワーソースだとトルク不足
最初に今まで使っていたMamba25とwaypointのモーターを試したのですが、トルク不足でストールすることが多く、ウェイトを入れる前からこれでは話にならないと思いMambaMaxを投入。モーターは最初にcrawlmasterのブラシレスを装着してみたのですが、低速が非常に扱いづらいのでブラシモーターを試してみることに。トルクを重視したかったので30~40ターンに的を絞って捜索開始。すぐ目に付いた40Tを手に取ってみました。
  
- やっぱり扱いやすいブラシモーター
久しぶりのブラシモーターは(あれ?ブラシモーターってスコーピオンでは使ったこと無いような・・・汗)とてもスムーズでビックリ。多少燃費は落ちますが、トルクも十分でドラッグブレーキの効きもよく、今までブラシレスばかり使っていた自分には目からウロコでした。540ブラシレスはまだ試したことがありませんがそれは後の楽しみにとっておいて、ひとまずはコレを使うことに決定です。
  
- 規制が無い?
海外でもLiPo3セルが流行っているようで、レギュレーションを見ても特に規制は無いようです。そこで手元にあったLiPo3セルを試してみたところ(当たり前ですが)壮快なパワーを得ることが出来ました。フルスロットルから急にバックに入れると2.5kgの車体が前転します(汗)スピードも体感で1.5倍、最初はもてあますパワーが純粋に楽しかったのですが、実際のクローリングでもこのパワーとスピードが非常に有効な事に気が付きました。
  
- 3セルの有効性
ショックのセッティングにも左右されるのですが、勢いをつけた登りは特に有効で7.4Vでは登れなかったところがクリアできるようになります。リアがグリップしなかったり、小さい段差があるがゆえに3cm上に手が届けばクリアできるのに、といった歯がゆい場面で「助走」を含めた勢いをつけることでその限りなく遠かった3cmを手に入れることが出来るようになります。これは一番のメリットだと思います。他にも、下りで前転しそうになったときにそれを防げたり、急激なアクセルのon/offで小さくターンできたり、過激に暴れて亀状態から復帰できたり、わずか数十グラムの重量増で得られるメリットは計り知れません。ローカルレギュで規制されない限り3セルを使い続けると思います!ちなみに前転を防げなかった場合は、ものすごい勢いで落下していくのでしっかり見極めてください(汗)
  

【ショックについて】
  
- 非ドゥループ
僕が始めた頃はドゥループ(ショックが伸びようとするのではなく、常に縮もうとしている状態)が流行っていて(?)、今までのRCCarに無いショックの仕組みに興味を引かれてチャレンジしてみました。ドゥループの利点はストロークを確保しつつ1Gでの車高を極限まで下げられること。当初は1Gでの恩恵が大きく感じられましたが、逆に姿勢が変化した場合には車高が上がり理想の姿勢が崩れてしまいます。で、結局は通常のショックに戻しました。通常のショックなら変に姿勢が崩れることはありませんし、1Gの状態で車高を極力下げていればそれ以上車高が上がることはありません。トルクツイストが出ても低重心を維持することが出来ます。もちろん腹下が引っかかる場合が多々あるのですが、そこは気合いで何とか・・・(笑)
  
- 足上げ角度を確保するためのショック選びが大変だった
もともとスーパークラスのHustlerは、ショックの取り付け角度を下のリンク側で行うため上部の取り付け位置が固定されています。しかし2.2クラスではショックをハウジングに取り付けるため角度を変えることが出来ません。ホイールベースを固定すると自然とショックの角度も決まってしまうため、長いショックにすると車高が上がり、短いショックにすると今度は足上げ角度が確保出来ないという状況に陥ってしまいました。スコーピオン付属のショックだと長すぎてそのまま使うことができませんでしたので、色々なサイズのショックを買ってきては長さを測って取り付けて足上げ角度を出しての繰り返しの日々がしばらく続きました・・・。
  
- リアのショック位置はステーで伸ばすことで解決
ハスラーのフロントフレームはサーボ位置の関係で上側へ曲げ加工しているのですが、それゆえにフロントとリアでショックの取り付け位置(高さ)が変わり、同じショックを取り付けるとリアの車高だけ上がってしまいます。当初はリアだけ短いショックを使っていましたが足上げ角度に満足出来ず、そこでTAMIYA TLT用の小パーツを取り寄せてリアアクスルハウジングに取り付け、後ろへオフセットすることでストロークと低車高を両立させることが出来ました。
  
- ショックセッティングは試行錯誤中!
スプリングとオイルはまだ試行錯誤の途中なのですが、Losiのショックの出来が素晴らしく(でもちょっと長いので使えない・・・)今はそれに近づくよう調整しています。
  

【タイヤウェイトについて】
  
- 話にならない
Micky-Rockの急角度の壁を登る際、フロントタイヤが目的の場所にかかる前にバク転してしまい、アタックすら出来ない状態にありました。スイスイ登る方達のマシンと比べて何が違うのか。こういう状態でバク転しない車にするためにはどうしたらよいのか。まずはそこをクリアする必要がありそうです。
  
- 壁立ち
何故バク転してしまうのか。その時たまたま見ていた放送大学の番組で、何故箱が倒れるのかについて説明がされていました。重心(CenterOfGravity)が支点を超えてしまうからです。万歳、放送大学!何となく判っていたようで実はあまり自信が無かった事をハッキリと肯定してくれたのですぐに作業に取りかかることが出来ました(笑)要するに重心をより下げることでバク転しにくく、より前にすることで安定した状態を維持することができると言う事です。実際にはモーメントが働いているのでここまでは無理だと思いますが、とにかく重心を変える事で解決出来そうです。

  
- 手っ取り早い低重心化のためにはタイヤウェイト
本当はフロントのアクスルハウジングの下にウェイトを仕込むのが理想なのですが、特にここはクリアランスを確保したいところなので、かといってアクスルハウジングの上だとそれほど重心は下がりませんからやっぱりタイヤのホイールに仕込むのが手っ取り早いです。以前はパチンコ玉を仕込んでいましたが、直立した場合に重心が後ろへ移動することと、それしきのウェイトでは足りないので、今回はホームセンターで購入した板鉛を巻いています。いきなりホイールにオモリを仕込むのも大変ですからまずはウェイトをハウジングの前にタイラップで仮止めし、壁立ちさせてリアタイヤと壁との距離を計測していきます。0gの場合は55mm、200gx2の場合は35mm、そして手持ちの全てのウェイト、360gx2を仕込んだ場合は28mmまで壁に寄ることが出来、結局それらを全部ホイール内に投入することにしました。
  
- 実践でウェイトをハズして調整
この状態でMicky-Rockにアタックしたところ、今まで登れなかった場所が全て登れるようになりました。テストの1つとしてツイストとは反対側のタイヤウェイト(FL)を外してみたところ、登坂能力は変わりませんでしたが特定のキャンバーが少し苦手になります。それからトータルで見た場合、下りであまり良い結果が出ませんでしたのでリアにも少しだけウェイトを入れる必要が有りそうです。
  

- でもやっぱ重いとよく壊れる・・・
10回以上落下(特に下り・・・)したと思いますが、一日でボールエンドが3個ねじ切れました(汗)トラクサスの3mmでは少々心許ないのですが、実はここが壊れてくれるのが一番割安なので、しばらくはこのままでいくつもりです。
  
【まとめ】
  
- ハスラーでも結構走れる
セッティングを煮詰めていく段階の鉄則として、一度にあれこれ変更しないというのがありますが、面倒くさくても少し変更したらそのたびにデータを取っていくことで何をどう変化させるとどうなるのかがだんだんと見えてくるようになります。僕は実車の経験もありませんし、物理的な事象に対する考察もすることがありませんでしたから、何をどうすればどうなるのか、最初はさっぱり、本当にさっぱり判りませんでした。もちろん今でも何をどうすればどうなるのかなんてやってみないと判りませんが、でもだんだん予想が当たるようになってきています。今までモヤがかかって見えなかった視界がだんだん晴れてくる感じは何とも言えず気持ち良いもので、もう少しコツコツとセッティングを煮詰めて行きたいと思います!
  
最後になりましたが、実車が好きでいじっておられる方、工作加工が得意な方、洞察力の鋭い方、とにかく一緒に走って下さる様々な方々に、日頃から沢山の刺激やアドバイスを頂きとても感謝しています!今後ともよろしくお願いします!!

コメント(26)

srayさんこんにちは。
いやあ、素晴らしいです。恐れ入りました。
試行錯誤の末に走るマシンに仕上げられた過程とかも良く分かりました。
僕も今、Copperheadを仕上げている途中なのでとても参考になります。
うちの日記にも良かったら遊びに来て下さい。

>高見山さん
先週から暇を見つけては書き加えていたら、
ダラダラと長いエントリになってしまいました(汗)
Copperheadどう仕上がるか楽しみですね!
digの時点で僕の想像をはるかに超えていて・・・
末恐ろしいです(笑)

絶句です。
これは性格の違いでしょう・・・

自分には無理ですね(汗)

気を取り直して、またONIに向けてチョコチョコ作っています。

>あんでぃさん
あ、あれ・・・?どこに絶句ですか(汗)
言葉にすると長々となってしまいますが、
別にそれほど考えているわけではないので・・・後付も多いですし(笑)
ONIは皆さん気合を入れてモデファイしていらっしゃるようなので期待しています!
楽しくなりそうですね~。

srayさん

まいりました。
やはり皆さん研究熱心ですね!!
自分は諦めが早いので・・・・
重心なんて考えたこと無いです。
なので、何作ってもメタボ号になっちゃってます(笑)

ウエイトの量はでも驚きですね!!!

11.1でしか出来ないですね(^^)

srayさん

勉強になります。
いろいろと、試してみようと思います。

重量増で、どこを壊すようにするかですね。
僕のも、けっこう重いし… (汗)

さすがです...。

おかげで 楽しくコンボイできます!

srayさんがハスラー 作っていたので BBチューバにふみきれたような ものなので... (笑)

たかさんも研究して くれるので安心です!(笑)

貴重なデータありがとうございます。

>dankikakuさん
最初にお会いしたときに、ウェイトについていろいろ聞かせていただきましたが、
やっと今になってその意味がわかってきました!(遅っ)

ところで・・・11.1って何ですか??日付?重量?

>たかさん
重量増による破損は本当怖いですよね(汗)
ホーシングがバキっと逝かないか心配です。
たかさんのは重量どれぐらいになりました?

>330さん
いやー、ハスラー2台のコンボイは格別ですよね!
もう、うっとりしちゃいます(笑)
JHC発足しますか!

3セルの事でしょっ!!
どうも最近アルツハイマーっぽいような・・。
奥さんの名前を呼び間違えないようにして下さいね。

danさんもね(笑

マンバマックスかゴー飛ぶラシレスなら11.1もOKなんですよね・・ブツブツ。

しっかし、先日までの軽量化は何だったんでしょうか?
まぁ、あと3ヶ月もすれば違う事をしてるかもしれませんよね~(爆

>Namaさん
LiPo3セル!
いやー、もう本気でヤバイです!(大汗)
嫁さんの名前を間違える日も近いですね・・・。

> しっかし、先日までの軽量化は何だったんでしょうか?

・・・・。
これと思ったら突っ走るタイプなのでお許しを(汗)
でも1800gにせよ2500gにせよ、重心バランスの同じ車だとどちらが良いのかはまだ判りません。
路面との摩擦係数によって・・・

3ヵ月後にはミニクロ、ロックレーサー、スケールが終わって、ARTRに戻ってるかもしれませんね(笑)

え~っと~何かの試験勉強でしょうか~?(笑)
いや~頭が下がります!

EXTREMEの辞書には全く出てこない文字ばかりです???

まぁ、出品したら$で売れるかな~と日々考えている
俺には到底理解出来ない話でしょう( ̄。 ̄)

実車版Copperheadです(目標)↓
http://jp.youtube.com/watch?v=xpPdHelyInE

押して駄目なら引いてみる!
引いて駄目なら突っ込みます!

これが自分のもっとうです( ̄┏д┓ ̄)y─┛~~

srayさん
11.1⇒ごめんなさい3セルです。
ウエイトやバランス難しいですよねー!
自分は登りが良くなって、下りが・・
キャンバーがって感じでした(笑

Namaさん
自分も時々Lipo3セル積みますけど
マジヤバイです!!
gripさんのパワープレーが理解できました!!

gripさん
来週よろしくでーす(^^)

>gripさん
ONIでのパワープレイは危険です!
岩飛び越えて溺死しないように気をつけてください!

受信機の防水対策やっとかないと・・・

タメになります!
物がないのでイメージつかないですが、
購入した際、参考にします!

最近、資金がなくて(笑
まだ先になりそうです。。。
シャーシは買えそうですけど(笑

さすが… ここまで考えてるんですね。
勉強になります。

いつも見た目と思いつきで作っているので関心してしまいます(汗)
ボールエンドも3mmを使ってるんですね。
自分はトラクサスの4mmを使ってます。
こんな所にもメタボの素があったとは…

Gripさんはきっとやってくれますよ!!
http://jp.youtube.com/watch?v=apvJpZu1Ub0


記事を読んでて
途中で難しくて読みきれませんでした・・・
中卒用の記事は頼めないので
FESTAの時簡単に教えてください笑

>gripさん
暗記は超がつくぐらい苦手なんですが、
こういうのはぼーっと考えていても苦じゃ無いんですよね(笑)
Youtubeの動画、格好いいですね!
こういう動画ってなかなか見つけられなくて(汗)
gripさんのもっとう、男らしいですね!!!

>dankikakuさん
すみません、11.1を最初に日付だと思ってしまって、
そこから思考停止してしまったようです(汗)

重心が前後のタイヤから同じ位置にあれば登りも下りも同じ性能になりますが、
前よりになればなるほど下りの角度は浅くなってしまいますよね。
実際には下りのほうがフォローしやすいので少し前よりで良いと思いますが、
亀になったときの事もかんがえると・・・。
好みもあるので明快な答えを出すのは難しいです(笑)

>あんでぃさん
受信機の防水対策は僕も頭を悩ませるところです・・・。
一般的にはラバーバッグでしょうか。
何か良い方法があればこっそり教えて下さい!

>39さん
早く買わないと乗り遅れますよ!(笑)
まずは3万円でLOSIのRTRから始めるのも良いかと!

>yamaさん
ここまでやらないと皆さんと一緒に走れないので・・・(汗)
こちらの動画も凄いですね~(笑)
一歩間違えれば大事故につながりかねないでしょうし・・・。
Gripさんのマシンはこれに似た雰囲気がありますね!
もちろんyamaさんも作るんですよね!?

>331さん
難しいというより、読みにくい文章なんだと思います・・・(汗)
暗記も苦手ですが、文章を書くのも苦手で・・・。
プログラムを書く方がよっぽどカンタンです(笑)

分析力とまとめる能力がスンバラシイですね!
こうやってまとめ上げると忘れても見直しが利いて良いのでしょうが
私の場合、まとめる前に忘れてしまう…

勉強になりました。

>おぐすけさん
最近記憶力が弱いので、
こうやって残しておかないと、
同じ事の繰り返しになるので・・・(汗)
実験しながら書けば忘れませんよ(笑)

このブログ記事について

このページは、srayが2008年9月11日 09:00に書いたブログ記事です。

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